ハーブ園と夢風船 |
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中でも布引の滝は、もっともお手軽なハイキングコースだと思います。
その東側にある世継山一体にハーブ園が開園したのは1991年とのこと。
もう20年あまりになります。
その時にアクセス施設として、夢風船というゴンドラが架設されました。
最近、新聞でこれが大赤字だという記事を読みました。
バブルの絶頂期、多くの人に六甲山を身近に親しんでもらうために計画された夢風船とハーブ園。
建設に当たっては、賛否がありました。
建設決定当時、布引の登山口には多くの反対派ボランティアの人たちが、
「六甲山の自然を守ろう」
「山は歩いて登ってこそほんとうのよろこびが…」
と、ハイカーに反対署名を呼び掛けていました。
しかし、いざ開園してみると、新幹線や地下鉄の新神戸駅と直結したアクセスの良さが受け、しばしの空中散歩を楽しんだあと、港神戸を見下ろす眺めをいとも簡単に手に入れられるハーブ園は、大人気にはなりました。
夢風船の乗り場には長蛇の列ができ、観光都市神戸に新たなスポットの誕生となりました。
それが今、危機を迎えているようです。
ハーブ園は、そんないきさつもあって元々一般ハイカーが立ち寄ることが少ない施設なので、夢風船が営業を中止すれば、園を訪れる人も激減することは必至です。
私としては特に夢風船に興味があるわけではありませんが、一度も乗らないうちに廃止になってしまうのも残念です。
そんなおり、Mちゃんのムスコさんがハイキングに行きたがっているとか…
ならば、ということでGちゃんにも声をかけて、布引の滝を巡るファミリーハイキングの決行となりました。
新型インフルエンザの影響の順延もあって、みんなの都合がついたのは梅雨真っ只中の日曜日になってしまいました。
新神戸オリエンタルホテル下のOPA広場に集合した時は、空は雲空で湿気が体にまとわりつくような蒸し暑さでした。
Mちゃんママ、Gちゃんママとムスメのほのちゃんの女性3人チームは、登りも夢風船利用です。
のちほどの再開を約して私たち男性6人は新神戸駅下からハイキング道へ向かいます。
駅をくぐり抜けるとすぐに景色が一変、深い山の中に分け入った感じになるのがこのコースの魅力です。
とりつきの石橋を渡り緩やかな登り道を行きます。
まもなく雌滝が現れ、滝壺の橋に立つとミストのような涼しさに包まれます。
大都会から10分ほどでこのマイナスイオン充満の森林浴。
何度体験しても贅沢なロケーションだと思います。
滝をめでるなどということには興味のない子供たち。
「次、行こう!
次、行こう!!」
オーバーペースにならなければよいのですが…
続く石段が少し緩やかになってくると、崖に張り出した小さな展望台から鼓滝を望みます。
この滝は滝壺近くまで降りることができません。
気づかずに通り過ぎてしまう人も多いのではないかと思います。
見下ろす滝を後に、渓谷沿いの道をさらに登ると、本日のハイライト、雄滝です。
白く露出した岩肌を割って、怒涛の水流が落下しています。
その迫力に圧倒されてついつい見落としがちなのですが、この滝壺から更に下に落ちる水が2つに割れています
。
これが、夫婦滝です。
私も長い間、夫婦滝がどこにあるのか、わかりませんでした。
あまりに雄滝に近すぎるのが気の毒で、影の薄い滝です。
見上げる谷のわずかな隙間の空に、夢風船が行き交うのが見えます。
「かあさんら、もう着いてるかなあ?」
ここまで一時間弱かかっています。
夢風船で登った女子組は、とっくに着いて時間をもて余していることでしょう。
いやいや、もて余してはいないかも…
同じ世代の子を持つ母親同士、世間話に花が咲いているのかもしれません。
雄大な雄滝を左に見て一気に高みに登ると、滝を見下ろす茶店があります。
古くからある茶店ですが、これがなんともいい情緒を醸し出してくれます。
茶店を過ぎると、尾根筋に出て、一息登れば展望台。
超高層のオリエンタルホテルもここまで登ればやっと見下ろせるようになりました。
ここは、六甲山の山麓に数ある毎日登山の会の登頂地点のようです。
毎日登山の会は神戸市民が山と親しんでいることの証で、どの会も長い歴史をもっています。
会員の人たちは、毎朝出勤や家事仕事の前に山に登り、山頂のお寺にお詣りしたり、ラジオ体操をしたりして1日のスタートにしています。
こんな風土が毎年恒例の六甲山全山縦走大会のペースになっていると思えます。
ハイカーの女性が「コウベマイマイ」というカタツムリを捕まえたと言って子供たちに見せてくれました。
でも子供らはここでも休憩がまどろっこしいようで、先を急かされます。
ここからは神戸市水道局の敷地に入り、やがて風格のある石積みのダムが行く手を遮ります。
右手のつづら折れの坂道を登り詰めるとダム湖のエメラルドグリーンの水面が待っていました。
「「中から、おまえの落としたのは、この金の斧か?」
と言いながら、湖の精が現れそうやな」
なんて言いながら堤防を渡るります。
ここから本流をそれて、小さな祠への階段から一気に狭い急坂を登ってハーブ園南ゲートへ向かいます。
子供たちも、余裕がなくなってきたのでしょうか、口数が少なくなりました。
とはいえ、バテるメンバーもなく11時半、南ゲート到着。
理想的なペースです。
多分北ゲート付近で待っているはずの女性チームと連絡をとります。
さすがにここまで登ると電波状態はよくありません。
それでも首尾よく合流できました。
梅雨時の日曜日という微妙な時期ですが、園内は思っていたよりも賑わっています。
そんな空は予報に反して青さが増す中、木陰を見つけてお弁当タイムです。
斜面に広がるハーブ園ですから、海を見下ろすロケーションに陣取るのにはこと欠きません。
そのあとは温室を回って北ゲートにもどり、子供たちはお目当てのソフトクリームに舌鼓。
そして、帰りはみんなそろって夢風船です。
といってもゴンドラは6人乗りなので、2組に別れてしまいました。
さっきは汗をかきかき登って来た道を、今度は上から見下ろします。
球面の窓で覆われた夢風船は、視界抜群です。
あっというまに、朝集合したOPA広場まで降りてしまいました。
インフルエンザの影響で厳しいコンディションのハイキングになってしまいましたが、自分の子供には相手にされなくなった今、ヨソサマの子供たちに遊んでもらえて楽しい1日でした。
ハーブ園と夢風船